地球上の多くの生物には、様々な生理現象を支配する約24時間周期の概日リズムが存在する。時計タンパク質に特異的に作用する化合物は、リズム障害薬の開発候補として期待されているが、有効な化合物はほとんど存在しない。そこで、小分子化合物ライブラリを用いて時計遺伝子Per1を特異的に誘導する化合物を同定した。質量分析法により化合物とCRYタンパク質は物理的に相互作用し、CRYタンパク質の持つ転写抑制能を消失させることを見出した。以上の結果から、この化合物は時計遺伝子の新たなる分子基盤の理解と、リズム障害に対する薬剤の開発に貢献する可能性があることが示唆される。
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