白金製剤は、DNAに損傷を加えることで抗がん効果を発揮するため、腫瘍の遺伝子修復能は、白金製剤の感受性に影響を与えると推察される。本研究では、白金製剤を用いた術後補助化学療法を施行した非小細胞肺癌切除症例を対象とし、遺伝子修復にかかわるRad51、ERCC1蛋白発現と予後の関連について検討した。ERCC1陽性症例は有意に無再発生存が良好であった。Rad51蛋白発現と無再発生存に有意な関連を認めず、Rad51、ERCC1蛋白発現と全生存に有意な関連は認めなかった。白金製剤の感受性により予後の違いが生じるのではないかと想定したが、全生存との関連は得られなかった。
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