活性化血小板膜の凝固系活性化、フィブリン形成と溶解に寄与する機構を解析した。凝固系活性化の増幅に必須の血小板膜上の phosphatidylserine (PS)は、凝固系活性化開始機転及びフィブリン網形成起点としても重要である事を見出した。さらに今回、PS発現血小板膜上にプラスミノゲン(plg)も集積し、その周囲からフィブリン網溶解が始まる現象を証明し、凝固亢進部位で早期に線溶系が開始するという、過剰血栓の早期溶解に重要な機構として提唱した。in vivoでもPS 発現部位にplgが早期から集積する事実を見いだし、本機構の生理的重要性が証明できた。
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