研究課題/領域番号 |
26860170
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
宇和田 淳介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70580314)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 薬理学 / GPCR / FRET / ムスカリン受容体 |
研究実績の概要 |
今回対象としているGPCRはムスカリンM1受容体である。ムスカリンM1受容体の効率の良いFRETコンストラクトを作製するにあたり、蛍光タンパク質の配列を導入する3番目細胞内ループの短縮を行ったところ、受容体の細胞表面への移行が阻害される例が多く見られた。細胞内に局在する受容体については、特に細胞表面からの恒常的細胞内移行によって内側に局在する受容体に着目している。そのため、細胞表面への移行に最低限必要な3番目細胞内ループ配列の検討を行った。さらに、所属機関の共焦点顕微鏡の構成に合わせて蛍光タンパク質のペアを検討し直し、TagBFPとGFPを用いたコンストラクトを作製した。ムスカリンM1受容体のC末端にTagBFP、3番目細胞内ループにEGFPを導入したコンストラクトを用い、細胞表面と細胞内それぞれに局在する受容体に対しアクセプターフォトブリーチ法によって両蛍光タンパク質間でのFRETを確認した。しかしながら、これまで検討したコンストラクトにおいては細胞表面と細胞内の受容体のいずれもアゴニスト刺激時のFRET効率の変化を検出するには至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2度の所属先の異動があり、研究環境を整える作業に多くの時間を費やすことになった。しかしながら、研究材料の準備などは比較的順調に進んでおり、今後の1年で十分遅れを取り戻せると想定している。
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今後の研究の推進方策 |
受容体の配列に対して蛍光タンパク質を導入する位置を検討することで、受容体活性化時の構造変化をより効率よく反映するFRETコンストラクトを作製する。1年目の検討に基づいて比較的早期の実現が期待される。活性化に伴う受容体とGタンパク質との間での相互作用の変化を解析するためのFRET系も材料を揃えており、平行して系の改良と解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属先の変更が重なり、研究環境の整備などに時間を費やさざるを得なかった結果、計画通りに研究を遂行することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究費の使用項目に大きな変更はない。次年度早期に関連試薬等の消耗品購入にあて、研究計画の期間内での実現を目指す。
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