メダカ器官形成における重要性が示唆されたTMEM141に着目し、細胞レベルおよび個体レベルでの機能を明らかにすることを目的として、機能解析を実施した。その結果、TMEM141は、細胞分裂時において娘細胞間で非対称に分配される興味深い特性を有し、細胞の増殖・分化の制御機構において重要な役割を担う新規の膜小胞関連分子であることが示唆された。さらに、複数のがん細胞株において、当該分子のアミノ酸配列を基にデザインされたペプチドが細胞増殖を抑制することが明らかとなった。本研究により得られた知見は、脊椎動物の器官形成機構の解明に留まらず、がん幹細胞を標的とした新しい抗腫瘍薬開発にも貢献すると考えられる。
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