抑制性受容体Siglec-7は酸性糖シアル酸を認識し、主にナチュラルキラー(NK)細胞上に発現しており、癌細胞上のリガンドに対し反応すると癌への攻撃は抑制されてしまう。Siglec-7のリガンド糖鎖は幾つか報告があるが特異性など不明瞭な点が多い。我々はリガンド糖鎖としてタンパク質上にできるO型糖鎖を新たに発見し、質量分析によりそのキャリアータンパク質及びその糖鎖構造の候補も同定した。また、Siglec-7とリガンド糖鎖の相互作用において、免疫側ではリガンド糖鎖がSiglec-7の活性化を誘導し、免疫反応の抑制に働き、癌側へは運動能の増強という双方向のシグナルが伝わることを明らかにした。
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