食生活の欧米化、高齢化に伴い心不全患者数は急増しているが、病態メカニズムは未だ不明な点が多い。我々は心不全時に発現が変化する因子が心筋、心臓幹細胞システムにどのような影響を与えるのか検討をした。まずいくつかのラット心不全モデルを用いて、共通して発現が亢進する因子としてペリオスチンを見出し、そのC末端側に存在するアイソフォームの機能検討を行った。結果、心筋細胞のアポトーシスを誘導するアイソフォームが確認でき、選択的中和抗体を作成し、心筋梗塞モデルでの有効性を証明した。残念ながらいずれのアイソフォームも心臓再生には関与していなかったが、今後は独自に作成した中和抗体の臨床応用を目指す予定である。
|