IgG4関連疾患(IgG4RD)患者の3個以上の臓器病変をもつ群では、2個以下の臓器病変をもつ群と比較して、コリンエステラーゼ(ChE)やDKK-1が低値であり、低ChE・低DKK-1血症は線維化スコアと負の相関を示した。さらに2年間のフォローアップ解析では、ベースラインのChEやDKK-1が低値の群ほど、治療後に病変臓器の萎縮進行を認めることが示され、血清ChEやDKK-1レベルは疾患予後の新たな指標となる可能性を示唆する。 またIgG4RD患者では悪性腫瘍の既往もしくは疾患発症後の悪性腫瘍の発症頻度が非IgG4RD患者群に比し、有意に高く、局所的な慢性炎症と腫瘍化との関連性を考慮させる。
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