化学療法誘発性多発神経障害は頻度の高い副作用であり、用量規制因子となる一方で、その機序は未だ不明な点が多い。また症状が下肢の感覚障害優位であり、他覚的な評価が困難な事が問題点であった。 本研究では、神経近傍針電極を用いる事で、従来の皿電極では困難であった下肢感覚神経の軸索興奮性を評価する手法を確立した。神経近傍針電極を用いた下肢感覚神経の神経伝導検査および軸索イオンチャネル機能検査システムによる評価は、感覚神経障害が主体である化学療法誘発性末梢神経障害の機序解明および評価・早期診断の一助となると考えられた。
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