研究課題/領域番号 |
26860678
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
三嶋 崇靖 福岡大学, 医学部, 助手 (00600602)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Perry症候群 / 家族性パーキンソン病 / パーキンソン病 / ダイナクチン / TDP-43 |
研究実績の概要 |
【Perry症候群の臨床症状の検討】 Perry症候群はパーキンソニズム、うつ、体重減少、中枢性低換気をきたす予後不良の遺伝性疾患で、1975年にカナダのPerryにより初めて報告された (Perry TL, et al. Arch Neurol. 1975) 。2009年に我々のグループにより DCTN1 が原因遺伝子として報告された (Farrer MJ, et al. Nat Genet. 2009)。我々は、本邦のFUK-1家系の詳細な家系調査を行い、Perry症候群における衝動制御障害およびpundingについて報告し、孤発性パーキンソン病との類似性を示した(Mishima T, et al. Parkinsonism Relat Disord. 2015)。 【ダイナクチン変異導入細胞の機能解析】 2014年に本邦の新たな1家系(F52L)をMovement Disorders誌に報告した。この家系は、他の家系と比較し、発症年齢が高く、進行も緩徐である。他の家系と臨床経過が異なるため、変異導入細胞でのダイナクチンの分布の比較は興味深い。我々は、F52L変異のプラスミドを作成しており、培養細胞への変異導入を行い、ダイナクチンの分布や凝集体の有無について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々は、Perry症候群における衝動制御障害およびpundingについてParkinsonism & Related Disorders誌に報告した(Mishima T, et al. Parkinsonism Relat Disord. 2015)。また、本邦の1家系(F52L)の変異導入細胞の作製を行い、ダイナクチンの分布や凝集体の有無について検討した。
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今後の研究の推進方策 |
我々が報告した本邦のOMT家系(F52L)の家系調査を行い、臨床症状の詳細な検討を行う。また、F52L変異導入細胞でのダイナクチンの分布や凝集体の有無について検討し、微小管との結合性についても検討する。剖検脳を用いた解析では、ダイナクチンタンパク質複合体の主要なサブユニットであるp150glued、p62、p50等での免疫染色を行い、凝集体の有無について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
福岡県内の家系調査が主であったため、旅費の費用がかからなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
家系調査や学会発表のための旅費および培養細胞実験等に使用する抗体や試薬購入に充てる予定である。
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