ビタミンDの細胞増殖抑制作用機構に関する研究を行った。従来の学説では活性型ビタミンDである1,25(OH)2D3が増殖抑制作用を有するとされていた。活性型ビタミンD3はCYP27B1による水酸化を経て合成される。つまりビタミンD3の作用にはCYP27B1が欠かせない。一方、申請者は以前、CYP27B1による水酸化を受けないビタミンD誘導体が細胞増殖抑制作用を示した。この知見を基に、生体内でCYP27B1による水酸化を受けていない25(OH)D3 (非活性型)の生理活性を仮説し、本研究を行った。その結果、25(OH)D3も程度細胞増殖抑制作用を有する事を明らかとし、そのメカニズムも検討した。
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