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2014 年度 実施状況報告書

Tet2機能低下によるエピゲノム制御異常を介したリンパ腫発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26860717
研究機関筑波大学

研究代表者

武藤 秀治  筑波大学, 医学医療系, 講師 (50709194)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードTET2 / T細胞性リンパ腫 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / BCL6 / エピゲノム異常
研究実績の概要

1.Tet2gt/gtマウスに生じたリンパ腫細胞におけるエピゲノム解析:TET2は最終的にDNAの脱メチル化を導く機能を有していることから,TET2の機能不全が引き起こすエピゲノム異常とT細胞性リンパ腫の発症との関連を明らかにするため(h)MeDIP sequenceを行った.ゲノムワイドでの解析では,メチルシトシンの有意な増加および転写開始点付近でのヒドロキシメチルシトシンの有意な低下を認め,個別の遺伝子解析では濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞の主要転写因子であるBcl6のintron 1に高メチル化部位を認めた.バイサルファイトシークエンス法でも検証を行った.この部位のメチル化はB細胞性リンパ腫においてBCL6の転写を促進することが知られており,Bcl6の転写が促進されることによりTfh様細胞の増加をきたしている可能性が考えられた.
2.網羅的解析から得られた結果に関する検証:Bcl6 intron1のメチル化と発現制御の関連を調べるために,EL4マウスT細胞性リンパ腫細胞株を用いて脱メチル化剤であるデシタビンを添加し,脱メチル化された際の遺伝子発現の変化を検証した.EL4のBcl6 intron1はほぼ完全にメチル化された状態にあり,デシタビンを加えることにより脱メチル化を引き起こせることをバイサルファイトシークエンス法にて確認した.脱メチル化に伴い,Bcl6のmRNA発現量が低下することをreal time PCR法にて確認した.
3.Tet2gt/gtマウスに生じたリンパ腫細胞におけるadditional hitの解析:次世代シークエンサーを用いて正常対照とリンパ腫細胞のゲノムを得ることができた1個体において網羅的変異解析を行った.さらに個体数を増やして現在解析中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Tet2gt/gtマウスの解析を通して,これまでの研究成果を英文誌に投稿し,掲載されたため.

今後の研究の推進方策

Tet2gt/gtマウスはT細胞性リンパ腫の発症までに中央値67週齢と長期間を要することから,エピゲノム異常のみならず,何らかの付加的なゲノム異常が発症に関与している可能性が考えられる.次世代シーケンサーを用いた網羅的ゲノム解析を進めることにより,additional hitの解析を進めている.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Reduced TET2 function leads to T-cell lymphoma with follicular helper T-cell-like features in mice.2014

    • 著者名/発表者名
      Muto H, Sakata-Yanagimoto M, Nagae G, Shiozawa Y, Miyake Y, Yoshida K, Enami T, Kamada Y, Kato T, Uchida K, Nanmoku T, Obara N, Suzukawa K, Sanada M, Nakamura N, Aburatani H, Ogawa S, Chiba S
    • 雑誌名

      Blood Cancer Journal

      巻: Dec 12;4 ページ: e264

    • DOI

      10.1038/bcj.2014.83.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Genetic Analysis of T-cell Lymphoma Developed in TET2 Knockdown Mice2014

    • 著者名/発表者名
      Hideharu Muto, Mamiko Sakata-Yanagimoto, Yusuke Shiozawa, Terukazu Enami, Naoshi Obara, Seishi Ogawa, and Shigeru Chiba
    • 学会等名
      第76回日本血液学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2014-11-02
  • [学会発表] Genetic Analysis of T-cell Lymphoma Developed in TET2 Knockdown Mice2014

    • 著者名/発表者名
      Hideharu Muto, Mamiko Sakata-Yanagimoto, Yusuke Shiozawa, Terukazu Enami, Naoshi Obara, Seishi Ogawa, and Shigeru Chiba
    • 学会等名
      第73回日本癌学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-09-26
  • [備考] 筑波大学医学医療系血液内科

    • URL

      http://www.ketsunai.com/publication/

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公開日: 2016-06-01  

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