食道扁平上皮癌に対する化学放射線療法(CRT)耐性獲得機構の解明および感受性予測バイオマーカーの同定は、喫緊の課題である。根治的CRT後遺残・再発の原因遺伝子を明らかにするために、未治療食道扁平上皮癌の生検検体(6症例)ならびにCRT後局所再発病変(2症例)に対して全エキソン解析・メチル化シークエンス、RNAシークエンスを行い、CRT感受性群と耐性群で遺伝子異常の特徴を比較した。従来重要とされてきたTP53変異の有無のみでは、実際のCRT感受性を規定できないことが明かとなった。今後、ゲノム・エピゲノム・トランスクリプト異常とCRT感受性についてより詳細な解析を実施する予定である。
|