食道扁平上皮癌は予後不良な悪性度が高い癌種の1つである。現在の標準化学療法である5FU-cisplatin(FP)療法の奏功率は33.3%程度と満足できるものではなく、この状況を改善する何らかの新規治療戦略が必要とされている。様々な固形癌に癌幹細胞の存在が認識されつつあるが、食道扁平上皮癌に関する報告は極めて少ない。今回我々は、食道扁平上皮癌細胞株により形成されるスフェアに、機能的幹細胞マーカーであるALDH1が濃縮されることを確認し、さらにALDH1陽性細胞を多く含む食道扁平上皮癌が予後不良であることを確認した。ALDH1は食道扁平上皮癌幹細胞マーカーとして有用である可能性が示された。
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