Rhoキナーゼ阻害剤は肝疾患などに対する大きな効果が期待されるものの、全身循環への副作用が強く、臨床応用が進まなかった。今回、われわれは、活性化肝星細胞をターゲットに、ビタミンA不可リポソーム体で内包化したRhoキナーゼ阻害剤を利用した、Dug Delivery System(DDS)を用いることで、大きな副作用なく、肝虚血再灌流障害や、肝線維化を抑制することに成功した。今回の検討で、このDDSは肝臓に臓器特異的に、そして肝星細胞に集中して取り込まれることを証明し、その結果、通常量の1/100量で同等以上の効果を示し、また、副作用の低減を確認した。
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