末梢動脈疾患の新たな治療方法の開発を目指し、G-CSF溶出生体吸収性ステントの開発を目的に研究を開始したが、予備実験結果をふまえて実験計画を修正した。金属ステントをコントロールとし、生体吸収性ステントのブタ腸骨動脈における開存性や血管壁反応の違いの検討を先行させた。留置6週間後の病理学的検討で、生体吸収性ステントは金属ステントと比較して、狭窄率、血管壁炎症、損傷スコアに違いはないものの、新生内膜面積で縮小傾向、中膜面積で拡大傾向を認めた。この基礎データをもとに薬剤溶出生体吸収性ステント作成に着手しつつある。またブタ下肢虚血モデルの作成実験を重ね、手術手技、虚血肢の血管撮影手技などを確立した。
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