腎癌において、メタボリックシンドロームへの重要な関与が指摘され始めた脂肪酸受容体GPR120の与える影響を検討した。各種腎細胞癌株において、GPR120の活性化による短期的な抗腫瘍効果をWST assayで調べたが明らかな抗腫瘍効果は認めず、またWestern blot法にてGPR120の発現も変化を認めなかった。agonistを定期投与することによる長期の抗腫瘍効果についても、様々な条件下でも細胞増殖能やGPR120の発現に変化を認めなかったが、GPR120はその抗炎症化作用から癌との関連が予想されるため、今回様々な条件の下で行った実験の過程や結果は今後の研究の一助となり得ると考えられた。
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