妊娠高血圧症候群は、妊娠初期の栄養膜細胞(trophoblast)の母体子宮脱落膜への浸潤不全が病因の一つと考えられている。しかし、本疾患の診断は妊娠20週以降になされるため、妊娠初期の疾患発生のメカニズムに対する研究は困難である。本研究の目的は、妊娠高血圧症候群の患者自身の臍帯を用いて、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立したのち、trophoblastに分化させる事で、最終的には妊娠高血圧症候群に代表されるtrophoblast関連妊娠合併症の疾患モデルを確立し、疾患の発生メカニズムを明らかにする事である。
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