顆粒膜細胞腫は、卵巣癌の一種であり、初期の発症から数十年の歳月をかけて再発・転移するという経過をたどる。そのため、早期発見、早期治療が非常に困難であり、有効な治療法は未だに確立されていない。申請者は、網羅的遺伝子発現解析により顆粒膜細胞腫で発現の上昇している遺伝子群を明らかにし、それらの分子の詳細な機能解析を行った。その結果、顆粒膜細胞腫の悪性化を司る因子としてGPRC5Bを同定した。GPRC5Bは創薬ターゲットとして近年注目されているGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、さらなる解析により、顆粒膜細胞腫を中心とした女性特異的な癌の新たな治療薬の開発が期待される。
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