外眼筋の固有知覚の役割について調査を行った。視覚と外眼筋の固有知覚を障害した状況では、視線の空間的認知方向が変化するという報告がある。HESS変法測定により、健常者と斜視患者において、頭部を基準とした実際の中心と被検者が空間的認知された中心と思われる視線(位置)の差を中心からの偏位量として測定した。 健常者は偏位量は小さかった。内斜視については有意に偏位量は大きかった。斜視手術を施行した外斜視で、筋切除を施行した群は、Plication法(筋を切除せず温存して短縮する方法)に比べ、術眼の術前後での中心からの偏位量に有意な差を認めた。筋切除による外眼筋の固有受容器の障害が影響したものと考えられた。
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