本研究は、皮膚創傷部位における炎症細胞の空間的動態が組織修復機構(瘢痕形成)に影響を及ぼす組織・分子的相関性の解明を目的として行われた。特に、近年多彩な機能を有することで注目を集めているmicroRNA(miRNA)に着目し、創傷治癒と関係の深い炎症に関連するmiRNAを同定することに成功した。さらにmiRNA遺伝子欠損(KO)マウスを作製し、生体イメージング装置などを用いて解析を進めることで、自然免疫の中心となる好中球の貪食能・感染制御機能に影響していることを解明した。この過程で用いたイメージング技術には、共焦点蛍光顕微鏡を用いた解析も多く、広く世界に利用される技術となり得る。
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