研究課題
本研究では、H3K9ヒストンメチル化酵素であるG9aとESETによる骨芽細胞分化制御の仕組みの一端を明らかにすることを目指してきた。研究期間の前半では、Runx2 promoter-LucやOsteocalcin promoter-Lucを用いたレポーターアッセイからG9aとESETがRunx2の転写活性化能を増強する事を明らかにした。また、in vitroで作出したG9a欠損骨芽細胞の遺伝子発現解析から、G9a欠損によりRunx2の下流遺伝子の発現が抑制される事を明らかにした。さらに、内在性のRunx2とG9aが結合する事を明らかにした。平成28~29年度にかけては、複数のG9a部分欠損変異体(G9a mutant)を作製し、その機能解析を進めてきた。293細胞と10T1/2細胞にてOsteocalcin promoter-Luc、Runx2、複数のG9a mutantを用いたレポーターアッセイをおこない、Runx2の転写活性化能の増強に必要であろうG9aのドメインを絞り込んだ。一方で、Runx2の転写活性化能に影響を持つG9aのドメインがRunx2との結合にも必要か否かは不明であったため、Flag:G9aまたはFlag:G9a mutantとHA:Runx2をco-transfectionした293細胞の核分画から抗Flag抗体による免疫沈降実験をおこないそれらの結合を調べた。その結果、Runx2の転写活性化能に影響を及ぼすG9aのドメインはRunx2との結合にも必要である可能性が示唆された。
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