本研究では経頭蓋磁気刺激法(TMS)を用いて運動野における運動誘発電位(MEPs)を測定し,睡眠時ブラキシズムが中枢へ及ぼす影響を検討した.27名の被験者は貼付型簡易筋電計を用いて1週間の睡眠時における側頭筋筋活動を測定した.測定結果より被験者をブラキサー群,ノンブラキサー群に分類した.全被験者より咬筋MEPsおよび第一背側骨間筋(FDI)MEPsを測定して2群間において比較した.ブラキサー群の咬筋MEPsはノンブラキサー群と比較して低い傾向を示したが,FDIMEPsは2群間において有意差を認めなかった.以上より,ブラキシズム行為は運動野において脳の可塑性変化を引き起こす可能性が示唆された.
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