本研究は、BMP-2によるAlx3遺伝子の発現制御機構ならびにAlx3の骨芽細胞分化に対する作用機序について解明し、骨造成への応用を視野に検討した。Alx3遺伝子発現は、BMP-2の濃度および処理時間依存的に増加し、その発現誘導にはBMP-2/Smad経路の関与が示された。また、Alx3の発現抑制によりBMP-2による骨芽細胞分化が低下することが明らかとなり、その作用機序として、骨芽細胞分化マーカーであるアルカリフォスファターゼがAlx3の標的遺伝子であることが示された。しかし、Alx3の骨芽細胞分化における促進効果は著明ではなく、骨造成への応用は困難であることが推察された。
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