嚥下誘発に関する動物実験の結果に基づき,摂食嚥下障害者(上手く食べられない,飲み込めない者)に対して安全に訓練を行う方法を開発するため,咽頭への微小電気刺激(pharyngeal electrical microstimulation: PEMS)が嚥下誘発するか,また加齢変化が影響するか検討した。健常若年成人と高齢者を対象とし,PEMSを実施した。飲み込みたくなった刺激強度を嚥下閾値(Dsw-Th)と定義した。その結果,高齢者群は若年群と比較してDsw-Thが有意に上昇した。人において若年者と高齢者はともにPEMSで嚥下誘発が可能であるが,加齢変化が刺激条件に影響を与えることが示された。
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