老年期うつ病者の「レジリエンス」について、ナラティブ研究法を使用してインタビュー調査を実施した。その結果、情緒的なつながりの感覚や人生との対話、スピリチュアリティの高まりなどが明らかとなった。そこで既存の老年期うつ病者へのケア方法を参照しながら、人生との対話やスピリチュアリティの視点を取り入れた治療的看護実践の指針を作成した。その指針に基づいて4名の老年期うつ病者に継続的な看護介入を実施した結果、初回介入時は悲観的な訴えや身体の不定愁訴が多くみられていたが、面接の回数を繰り返す毎に人生との対話や洞察が進み、レジリエンスが向上した。このことから指針の有効性が示唆された。
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