本研究は計算可能測度論の基礎理論の構築を目指したものである.成果としてランダム性を測る新たな尺度を提案し,その尺度のより良い性質を示したことが挙げられる.具体的には,Schnorrランダム性に対する一様相対化から自然に表れる還元性としてLR還元のSchnorrランダム性版がMartin-Lofランダム性の場合のような良い性質を持つことを証明した. またLebesgueの微分定理に関連したランダム性として密度ランダム性という新たな概念を提唱した.マルチンゲールの収束に関わるこのランダム性は非常に多くの同値な特徴付けを持ち,広い応用が期待される.
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