規制法執行過程の核は,規制者である行政機関(地方自治体)と,被規制者である企業との相互作用である.本研究は,新しい環境規制法を実施する際に顕在化する,具体的ケースにおける法の意味の高いあいまいさを背景として,現場における規制法の実施と遵守のメカニズムについて考察した.規制現場担当者,企業への面接調査,参与観察,全国の規制部局に対する郵送質問表調査という質的・量的双方の経験的手法により研究を実施し,自治体間の相互作用パタンが法の解釈適用の判断において,影響を与えていることを示し,そのようなネットワークのパタンの違いが,法解釈において異なる意味付けを進化させるダイナミクスを明らかにした.
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