研究課題/領域番号 |
26870206
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
財政・公共経済
経済政策
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
山内 慎子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (50583374)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | migration / children / health / education / China |
研究成果の概要 |
農村から都市へ移住する安価な労働力は中国の急速な経済成長を支えてきたが、親と共に移住した子供は享受できるサービスの点で差別を受ける。本研究は、こうした子供の健康状態や人的資本投資行動(勉強に割く時間や教育支出)が移住後どう変わるか分析した。人的資本投資行動は移住後もあまり変わらなかったのに対して、身長・体重の発達スピードは移住後速まったということが分かった。また子供を都市へ連れてくる親は地元に土地や家屋を所有する割合が低い一方大卒である割合が高かった。こうしたことから、移住の利益が高い親がより長期的な移住を想定して子供も移住させるため、移住による負の効果が検出されなかったと考えられる。
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自由記述の分野 |
Development Economics, Labor Economics
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国で親と都市へ移住した子供の健康状態や教育投資行動を長期的なパネルデータを使って分析した研究は未だに少ない。比較対象が都市部出身の子供であるため移住の効果が不明確だったり、サンプルが一つの省に限られることが多い。本研究は比較対象が農村出身の子供と明確に定義された中、中国の主要な複数都市をカバーし9年に及ぶデータを用いて上記の結果を出したという点で学術的意義が大きい。移住した子供の健康悪化や教育投資落ち込みは見られなかったものの、教育水準の低い親が移住しても子供は農村に残る可能性が高いため、都市での低スキル移住者に対する差別が未だ解消されていないことを反映しているとも考えられる。
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