本研究では、GADD34遺伝子が老化に伴って発症する脂肪肝やⅡ型糖尿病に及ぼす影響について、GADD34遺伝子欠損マウスを用いて検討した。その結果、GADD34遺伝子欠損マウスでは、細胞の増殖や老化に関係すると言われているIGF-1/Insulinレセプターシグナル伝達系が亢進することによって、加齢に伴って野生型マウスよりも肥満になり、脂肪肝を発症することが明らかとなった。さらに、増加した脂肪細胞から産生されるTNFαが、IGF-1/Insulinレセプターシグナル伝達系を抑制することによって、インスリン抵抗性となり、Ⅱ型糖尿病発症に至ることが示唆された。
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