本研究では、結晶や磁性体、超流動のような秩序を持つ系に着目する。秩序構造は特徴的なトポロジーの構造を持っており、系は非平衡状態において、そのトポロジーによって決まるトポロジカル欠陥を有する。様々な系の様々なトポロジカル欠陥に普遍的に現れる統計法則を探求し、理解するという目的のもとで研究を行った。本研究おける最大の成果は、1次元状のトポロジカル欠陥である量子渦によって構成される量子乱流と呼ばれる非平衡状態において、量子渦同士の間に力学的ではなくトポロジカルな相互作用を導入したときに、乱流の最も普遍的であると言われるコルモゴロフ則が破れ、新しい乱流の統計法則が現れることを明らかにしたことである。
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