ハタ科魚類のキジハタは、メスからオスへと性転換する繁殖様式を持つ。本研究では、キジハタの性転換の生理機構を明らかにするため、脳下垂体に着目した。最初にキジハタの雌雄の脳下垂体を用いてRNA-seqを行い、脳下垂体で分泌されるホルモン数種(糖タンパクホルモン、GH/PRLファミリー)の遺伝子配列を単離した。その後、生殖腺の組織学的観察によって、キジハタの性転換ステージを四段階に分類し、各種ホルモンの遺伝子発現量をqPCRにより測定した。その結果、糖タンパクホルモンの内、FSH beta遺伝子の発現が性転換初期に急激に上昇することを明らかにした。
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