ウシ体外卵胞発育モデルを活用し、生体の卵巣活動と体外卵胞用構造物(AFLS)の形成との関連を調査するため、培養法改良と生体由来血清の添加試験を実施した。その結果、培養液への卵胞刺激ホルモン(FSH)の添加の有効性を示し、4%セリシンを用いることで無血清培地でのAFLS形成に成功した。そして、生体由来血清を用いた場合、生体の卵巣活動にかかわらず、FSH添加なしでは形成率が低く、さらなる改良が必要であることが示された。一方で、黄体形成ホルモンの添加効果はAFLS形成に抑制的に働くことが示された。以上のことから、本モデルのさらなる改良がより効果的な卵巣静止の治療法の開発につながるものと期待される。
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