研究課題/領域番号 |
26870548
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
宇野 耕司 目白大学, 人間学部, 専任講師 (60707735)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 0歳児 / 親 / 仲間 / 育児不安 / 虐待予防 / 子育て支援 / プログラム / プログラム評価 |
研究実績の概要 |
本研究では第Ⅰフェーズから第Ⅴフェーズの5段階で計画し,平成29(2017)年度は第Ⅴフェーズ:「新米ママと赤ちゃんの会」実施者研修体制開発を行った。具体的には,「① 研修実施体制の構築」として,以下に述べる報告会及び養成講座に関する準備委員会を組織化した。準備委員会では実践現場の創意・工夫・改善点を盛り込む形で検討し,実施者の養成と研修のあり方を明らかにした。 同時に「② 既存関連有効モデルの分析」として先行研究レビューを行った。特にインストラクショナルデザインに関する知見を検討した。既存関連有効モデルの分析として,既存の類似したグッドプラクティスプログラム(ノーバディズパーフェクトプログラムやコモンセンス・ペアレンティング)の研修方法についての現状把握や研修プログラムの課題を明確にしようとしたが,研修は組織の保有する知財に関係することでありアプローチが困難であった。そこで,先に研修プログラムを開発し,それに対してグッドプラクティスプログラムの指導者的立場の人から助言指導を受けることで,研修プログラムの課題を明らかにする方法に切り替えた。しかし,研修プログラムの完成版に関する助言指導を受けるまでに到達できなかった。 「③ 研修の実施と試行的効果評価」を行った。まずプログラムの概要と実績およびアウトカム評価の成果報告として,プログラム報告会の企画・運営を行った。報告会の参加者は子ども家庭福祉と母子保健領域の行政職員,市議会議員,子育て支援の実践家,助産師,保健師などが参加した。報告会に続いて,ファシリテーター養成講座の企画・運営を行った。形成的評価として試行的に1回実施した。実施前後の研修効果の評価(レベル1とレベル2)を行った。本プログラムの基本的な考え方や進行内容について理解できる研修となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
29年度は研究責任者の半年間の育児休業があった。アクションリサーチとプログラムの開発評価であるため,準備,実施,事後評価に予想以上の時間がかかった。 研修開発におけるグッドプラクティス事例からのインプットが得られにくい状況を解決できなかった。報告会の実施は研究班において未経験な事態であったために,準備に時間がかかった。同様にファシリテーター養成講座も実践家の創意・工夫を取り入れていく方法を用いて開発しているので準備に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
残された課題は4つある。以下,番号順に優先順位も示す。①「新米ママと赤ちゃんの会プログラム・ファシリテーターガイドブックの完成および出版,②ファシリテーター養成講座の知見をインプットしたファシリテーター養成講座ガイド(研修者用)の作成,③プログラム報告会の報告書の完成,④フィデリティ尺度の開発,である。 ①についてはファシリテーターが行うプログラム評価の意義や方法,評価の管理の仕方などの章が未執筆である。②については試行的な実施をした結果をガイドにまとめる作業が未着手である。養成講座の逐語録は完成している。③報告書は完成しているが校正が終わっていない。④は第Ⅳフェーズでの課題であり,残されているが,ファシリテーターガイドブックの完成を待たないと進められない。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 最終年度に作成予定であった報告書の作成費用が余った。また,ファシリテーター養成講座に関するインプットを得るために,グッドプラクティスプログラムの指導者的立場の人への謝金も執行されていない。 (使用計画) グッドプラクティスプログラムの指導者的立場の人への謝金に使用する。また,最終年度には報告書として100部冊子を印刷する。成果報告のために日本子育て支援学会などで発表するための経費に充てる。
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