研究課題/領域番号 |
26870551
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
鎌田 裕美 淑徳大学, 経営学部, 講師 (00456287)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 温泉客のモチベーション / ベネフィット・セグメンテーション / リピート行動 / 満足度 / バラエティ・シーキング |
研究実績の概要 |
ベネフィットの特定および調査設計・実施、分析を行った。 ・ベネフィットの特定:主に(1)ベネフィットの定義や具体的な項目、(2)セグメンテーションの手法について知見を得る。(1)は観光分野の先行研究レビューを中心に行った。その結果、満足度やウェルビーイングといった関連要素との関係がひとつの鍵になり得るという知見を得た。そのため、観光分野やベネフィット・セグメンテーションに関わらず、範囲を広げて先行研究のレビューを行った。(2)はマーケティング分野の先行研究レビューを中心に行った。また研究会での発表を通じ、満足度とリピート行動、バラエティー・シーキング理論とつなげることで、各セグメントの行動や特徴がより明らかになるのではないかという助言を得た。それに基づき、バラエティー・シーキング理論の先行研究レビューも行った。 ・調査設計・実施、分析:上記に基づいて、①観光客のベネフィット、②ベネフィットの集約、③セグメント化、④個人属性等による検証を行った。さらに、上記(2)の知見に基づき、満足度、リピート意向、バラエティー・シーキング行動に関する調査項目を加え、それらとの関係を分析した。全体として、フレームワークの構築に注力した。また、今回の調査では箱根の温泉刊行客を対象にインターネット調査を実施した。多数の温泉地を対象にしなかった理由は、分析の結果に基づき次期調査に反映するためである。 分析により、ベネフィット・セグメンテーションによる温泉客のセグメント化を行った。現在、セグメントごとの満足度やリピート行動、バラエティー・シーキング行動の可能性等を分析中である。これら研究成果は、ベネフィット・セグメンテーションについては国際学会での発表のため2つの学会に投稿中である。また、先行研究レビューに基づく研究成果は国内の学会誌に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ベネフィットの特定において満足度やバラエティー・シーキング行動などの新たな知見を得たことにより、先行研究レビューや分析のフレームワーク構築に時間をかけた。また、調査設計中にフレームワークの一部を見直したこと、対象者を多数の温泉地に訪問した温泉客にする予定であったが、結果として次期調査への反映を鑑みて箱根のみに絞った。そのため、調査設計・実施が当初予定よりも遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は調査の設計・実施、分析を中心に行う。調査は当初予定通り時期を分けて2回実施する予定である。調査対象は箱根のみならず、ほかの温泉客も対象にする。 今年度に構築したフレームワークを基に、改良、修正を行う。満足度、バラエティー・シーキング行動などは、観光客の一連の行動で重要な視点である。当初の研究計画には含めていないが、セグメントごとの特徴を明らかにし、かつマーケティングなどへの示唆を導出するために有用であると考えるため、今後の研究に含める。 また、今年度の研究成果を学会等で発表し、さまざまな分野から助言を得ることで調査・分析に活かす。
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次年度使用額が生じた理由 |
インターネット調査を実施する予定で調査設計等をすすめた。調査ではサンプル拡大と調査項目の精査のために前倒し申請をした。しかし、結果として前倒し申請は必要であったが、当初見積もった費用よりも低く調査実施が可能となった。その理由は、申請後にフレームワークの一部を見直したこと、対象者を多数の温泉地に訪問した温泉客にする予定であったが次期調査への反映を鑑みて箱根のみに絞ったことによる。なお、フレームワーク一部見直しをしたため調査実施が年度末になり、実際の支払いは平成27年4月になった。このため、支出額は今年度に反映されていない。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、当初予定どおり、2回のインターネット調査を実施する予定である。今年度に実施した調査では対象を箱根に絞ったが、次年度は対象を広げ、かつサンプルサイズも検討する。また、前回の調査に基づいてフレームワークの改良、修正を行う予定ではあるが、調査実施が大幅に遅延することはないように注意を払う。
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