上腕二頭筋に対し、1Hz、100Hzの電気鍼刺激(EA)を比較した結果、100Hzの刺激では筋力低下の傾向と血中乳酸濃度の明らかな上昇が認められた。次に、高齢者にとって転倒防止の観点から下肢の筋力維持が重要であるため、下腿へのEAの影響を検討した。下腿三頭筋に対して同様の刺激を行った結果は、筋力の低下も血中乳酸濃度の上昇も認められなかった。これまで、血中乳酸濃度の上昇は速筋線維の収縮の関与が報告されており、100HzのEAは選択的に速筋線維を刺激する可能性があるという成果が得られていた。下肢へのEAは不快感が残る傾向もあったため、刺激強度はさらに検討が必要である。
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