甲骨文字は,3000 年以上前の中国殷代の象形文字であり,亀の甲羅や獣の骨などに刻まれ,漢字の祖形ともいわれる最古の文字である.これらの文字の解読は,文字の起源,歴史の研究に対して非常に重要であるが,ノイズ,断裂が多く,大きさ,傾きなどが不均一などの特徴があるため,画像処理による認識が難しい.甲骨文字が鋭いものにより骨などの上で刻まれたため,線分が多い.本研究では,文字の鮮明化・ 正規化・ 細線化を行い,文字の特徴を利用し,複数の甲骨文字の認識手法を提案した.実験により,甲骨文字の認識精度を90%以上に実現した.
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