本研究は、18世紀後期ブリテンの国際関係に関わる言説について、国家、帝国、コモンウェルスの異同に留意して分析する。分析にあたっては、18世紀後期ブリテンにおいて、本国-植民地関係、国家間関係について論じたエドマンド・バークを中軸に、また『諸国民の法』を公刊したエメール・ド・ヴァッテルを補助線として用いた。諸国民の法には、道徳法的性格と実定法的性格が混在しているが、実定法的性格が強く表れるとき、その言説は国家と結びつく傾向があり、帝国、コモンウェルスを排して、主権国家が国際社会の基本的な構成単位となる一要因となった。
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