就学前幼児期の自閉スペクトラム症児における運動(動作)について、運動発達(動作獲得)に遅れが見られるか、獲得される内容が定型発達児のそれと質的に異なるかについて検討することを目的した。年齢4~6歳の自閉症児8名と定型児8名に対し、言語指示、模倣、道具使用からなる幼児用動作性検査を実施した。結果は、動作・模倣の不可とエラータイプについて両群で比較した。動作獲得について、道具使用課題においては両群に差がみられなかったことから、自閉症児は定型児に比べてすべての項目に関して低い段階にあるわけではく、発達過程において両群の差が開いていく可能性、もしくは、異なる発達傾向を示す可能性が考えられた。
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