BNCTにおいて、安全かつ効果的な治療を行うには、正確な血液中ホウ素濃度計測による適切な照射条件の管理が必要となる。本研究では、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いて、血中B-10濃度の正確かつ迅速な測定手法を確立したのち、BPA及びBSHの単独又は併用投与後、経時的に採取されたラット血液中のB-10濃度計測を行うことで、B-10の挙動傾向把握に資する基礎データの取得を行った。BPAとBSHで異なる血漿・血球間分布を示す傾向にあることが示唆された。今後は、投与条件及び分離条件を変えた検証を行うことで、薬剤が血中分布へ与える影響を明確化する予定である。
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