教科書を読み進めていく過程に対応した知識の形成過程を明らかにするため、専門用語を頂点,同一段落内での共起関係を辺とする語彙ネットワークの成長過程を分析した。主な結果は以下の通りである。(1) 新しい専門用語はコンスタントに出現するが、新しい専門用語が多く出現する部分もある。(2) 殆どの専門用語は初出時から他の専門用語と結びつく。(3) 個々の専門用語はより多くの専門用語と直接的に結びつけられていき、専門用語同士は一貫して2~3程度の専門用語を介して間接的に結びつく。(4) 「少数の専門用語を中心に体系化される」傾向は次第に弱まる。これらは分野・学年に応じた特徴も一部で見られた。
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