言語間の相違をどのように説明するかという問題に対するアプローチとして競合理論という考え方がAckema and Neeleman(2004)によって提唱されている。本研究では、この競合理論に基づき、日英比較を中心に言語間比較を行った。競合理論によれば、形態部門と統語部門は構造具現を巡り競合し、どちらでの構造具現が優先されるかによって言語は形態優先言語と統語優先言語に大別されることになる。本研究では、英語は統語優先言語、日本語は形態優先言語であると想定し、先行研究で個別に論じられてきた日英語の相違が統語優先言語と形態優先言語の相違として統一的に説明できることを明らかにした。
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