教育の質の向上、教師の資質能力の向上のために大学の教員養成課程のカリキュラムの改編や教職大学院の設置などが進められる一方で、それらを担う「教師教育者」の専門性については、国内ではほとんど注目されてこなかった。ただし、国外の研究をみると、教師教育者という概念は40年間ほどの議論の蓄積をもっており、その定義は時代に応じて少しずつ変化・拡大してきたことがわかった。一方、教師教育者という概念が定着していない日本の教員養成分野において、とりわけ教育学の関連分野を専門としない大学教員は教師教育者としての認識が薄いのではないかという仮説のもと、国内でヒアリングを実施したところ、その仮説は覆された。
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