本研究では、熱帯地域に位置する開発途上国での膜ろ過浄水プロセスの適用に向けて適正前処理技術としての原水貯留の効果を検討した。貯留することで、自然由来のマンガンなどの無機コロイドが析出・沈降する。析出した無機コロイドはその周りに有機物を吸着するため沈降に伴い有機物が除去され、膜ファウリングの低減に有効であることが示された。 また膜内部に存在する膜汚染物質を分子レベルで捉える手法を開発し、使用済み膜の内部を観察した結果、従来の手法では捉えることができなかった膜洗浄後に内部に残留する汚染物質の分布を捉えることが可能であることが示された。
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