本研究の目的は、魚介類摂取によるメチル水銀摂取のリスクとDHA、EPAといった高度不飽和脂肪酸(PUFA)摂取のベネフィットを分子レベルで理解することであった。 本研究では、まず、哺乳類培養細胞においてメチル水銀をばく露時にオートファジーの活性化について調べ、オートファジー関連分子LC3とp62がメチル水銀に対し誘導されることを明らかにした。次に、オートファジーを欠失した細胞ではメチル水銀に対し脆弱性を示すこと、ユビキチンタンパク質の蓄積を明らかにした。さらに、メチル水銀とDHAの同時ばく露により、オートファジーの誘導への影響、顕著な細胞死が引き起こされることを見出した。
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