免疫細胞の一つであるマスト細胞は、皮膚や血管などの結合組織や肺や腸などの粘膜面に広く存在しており、アレルゲンの暴露による活性化はアレルギー症状を引き起こすことが広く知られている。本研究では、マスト細胞が体の組織ごとに特徴的な遺伝子発現パターンを有しており、中でもマスト細胞の機能を調節するモチーフ(アミノ酸配列)を有する分子が皮膚のマスト細胞でのみ強く発現していることを明らかとした。この分子を欠損するマウスでは、皮膚炎症の増悪化が観察されることから、皮膚組織特異的なマスト細胞の活性化抑制因子であることが示され、当該分子の機能調節はマスト細胞を標的とした新たな皮膚疾患制御法になると期待される。
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