末梢神経の軸索変性の急性期には、一時的に血液神経関門が開くことが知られているが、歯根膜ルフィニ神経における血液神経関門を介した分子の供給機構および調節機構については全く不明である。そこで歯根膜ルフィニ神経の再生過程において、血管内皮細胞の動態について検索した。下歯槽神経切断7日後、実験側の歯根膜切歯側領域に血管内皮細胞が伸長し、周囲に遊走シュワン細胞が観察された。14日後には対照群と同様の局在を示した。 歯根膜ルフィニ神経終末の再生過程において、神経切断後7日後の歯根膜に血管が一時的に出現し、この血管を足場にしてシュワン細胞が遊走し神経終末の再生に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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