新規培養法によって末梢血単核球成分から得た濃縮細胞群(QQ-EPCs)の放射線性萎縮唾液腺に対する投与効果について検討した。マウスの動物実験において、QQ-EPCsを放射線性萎縮唾液腺に局所投与した。培養によりM2マクロファージとEPCの含まれる割合が著明に増加した。移植後は、組織内血管周囲へ移植細胞の集積を認め、4週後には炎症性マーカーの低下や幹細胞マーカー陽性の唾液腺上皮細胞の増加を認めた。さらに、障害組織の血管新生を認め、唾液量は照射4週後に著明に回復した。これらより、放射線性唾液腺萎縮症において、QQ-EPCsの投与は血管新生と抗炎症作用による有効な治療手段となり得ることが示唆された。
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