本研究は、形成外科手術時に回収される皮膚組織を解析サンプルとし、肥満者の皮膚に生じる皮内部変化の解析を目的とした。非肥満群(BMI25以下)40名と肥満群(BMI25以上)11名を対象とした。組織学的解析では、肥満群の皮膚では表皮の肥厚、Mib1陽性細胞の増加が認められた。遺伝子発現解析では、肥満群の皮膚ではコレステロール、脂肪酸の低下、これらの合成律速酵素であるhmgcr、acc-1の発現がBMI22以上でBMIと負の相関を示すことが明らかとなった。これらの結果から、肥満群の皮膚ではバリア機能が低下していることが明らかとなり、テープストリッピング等の非侵襲的評価方法の有効性が示唆された。
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