本研究の目的は、看護基礎教育機関における、災害看護および原子力災害に関連した放射線看護に関する教育の実態を明らかにすることであった。全国の看護系教育機関957校の学科長または教務主任、災害看護担当教員および放射線看護担当教員を対象に、自記式無記名の質問紙郵送法の調査を行い統計学的に分析した。その結果、教育課程別の違いや看護基礎教育における放射線看護の占める割合が非常に少ない等の実態が明らかとなった。今後の課題として、講義内容の精選と明確化、限られた時間での教授方法の検討及び教員の人材育成の必要性が明らかとなった。これらを踏まえ、放射線災害看護を含めた災害看護教育プログラムの再構築が必要である。
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